寝ぼけていたのだと、信じたい話

タイミングがタイミングだったため、寝ぼけていたのだと、信じたい話なのだが。

数年前(たしか2年前だったように思う)、ある日の朝早く、5時か6時頃に、耳元で「おじさんが嘔吐する音」が大音量で鳴り、飛び起きたことがあった。

9年ほど前に片親になった関係で、父親なんて家におらず、そもそも片親とか関係なく1人部屋で寝ていたから耳元(しかも大音量)でそんな音が鳴ったために驚いたのだが。
時間が時間だったため、「たぶん寝ぼけてたな。二度寝するか」と思い、何事もなかったかのように寝たのだが、その出来事からしばらくして親戚(男性)の訃報を聞いたのだ。

何年も前から若年性認知症を患っており、精神科病棟に入院するほどの症状だったため、亡くなったのは仕方がないと思っているのだが、その親戚の葬式に出向いた際、親戚同士でこそこそ話す世間話が、ふと聞こえてしまったのだ。

その世間話いわく、その親戚が、病状が悪化するたびに食事が上手くできなかったらしく、亡くなる直前はよく吐いていたらしい。
ふと耳に入った程度の情報であるため、聞き間違いがあるかもしれないのだが、自分の耳に入ってきたのは、おおよそ「こんな話」だった。

最初は、聞き耳を立てつつ「へぇ……そうだったんだ……」ぐらいにしか聞いていなかったのだが、ふと「吐いてたらしい」の部分が頭の中で引っかかり、なんだっけ……?と考えているうちに、あの日のこと・・・・・・を思い出したのだ。

たいして気にしていなかったため(気にしていたら二度寝なんかしない)、あの出来事を思い出しつつ、あっけらかんとしていたのだが、あれから葬式まで日が浅かったせいで、変に気味悪さを感じてしまったのだ。

別に虫の知らせでもそうじゃなくても、どちらでもいいのだが、虫の知らせだったとしても、そうじゃなかったとしても、さすがに嘔吐する音を耳元(しかも大音量)で聞かせないでほしい。
たんなる幻聴だったとしても、もう少しマシな内容の幻聴だってあるだろう、よりによって、なぜ「おじさんが嘔吐する音」を目覚まし時計代わりに聞かなあかんのよ、と思うのだ。

ただ「寝ぼけていただけ」だと思いたいが、タイミングが悪い話だと思っている。