【書評】いわゆる「人怖」なお話だなぁ、と。

数日ほど前、芦花公園さんの「漆黒の慕情」を読み終えたため、ブログの話のネタとして感想を書こうとブログを開いた次第である。

最初、書店で本作を見かけた時、芦花公園さんの新作が出たのか、程度にしか思っていなかったのだが。
ちょうど前作である異端の祝祭を読んだところだったため、ただの興味本位で本作を読んだのだった。

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あらすじ

あらすじは下記の通りである。

塾講師の片山敏彦かたやまとしひこは、絶世の美青年。注目されることには慣れていたが、一際ねっとりした視線と長い黒髪の女性がつきまとい始める。彼を慕う生徒や同僚にも危害が及び、異様な現象に襲われた敏彦は、ついに心霊案件を扱う佐々木事務所を訪れる。時同じくして、小学生の間で囁かれる奇妙な噂「ハルコさん」に関する相談も持ち込まれ……。
引用:本作の背表紙

最初はなにも考えずに(いていうなら『異端の祝祭と表紙が似ている』と思った程度)本作を手に取ったのだが、背表紙にさりげなく記されたあらすじを偶然目に入れた際、前作である「異端の祝祭」にも出てきた佐々木事務所の名前があったので、もしかして続編なのかな?と思ったら案の定続編だった。
「異端の祝祭」でも、主人公の親類が主人公の様子がおかしいと心霊案件を扱う佐々木事務所に出向き、結果的に事件を解決するのだが、本作でもその事務所が怪奇な事件に関わる(なんなら前作の主人公も『脇役』として冒頭に少しだけ出てくる)ため、あぁ、続編なんだぁ、と思った次第である。

感想

続編だと知ったからといってがっかりはせず、なんなら「本作も(いい意味で)よくできた話だったなぁ」と思ったため、満足度は高めである。

強いていうなら、後味の悪い終わり方のせいで消化不良を起こしたかのようなもやもやした気持ちが残ってしまったが、前作である「異端の祝祭」でも似たような感じで終わったため、そういう作品なんだね、と割り切るしかないように思っているのだ。
なんせ前作にしろ今作にしろ、生きている人間が「怪異的なもの」を生み出しているため、どうしても生きている人間が生み出す恐怖を物語にすると後味の悪さが残ったまま話が終わるのだ。

前作と今作のような、人間が生み出した恐怖を元にしたホラー系作品は主に「人怖ひとこわ」というジャンルにくくられているのだが、自分は普段からネット経由で人怖ホラー作品を見聞きしているために慣れているのだが、そういう話が苦手な人はあまり向かない作品かもしれないと思っている。

ただ、前作同様、読みやすい文章であるため、人怖系ホラー作品が好きな人や興味がある人ならどなたでも(普段から読書をあまりしない人でも)最後までさくっと読めるのでは?と思っている。