【書評】思っていたよりグロテスクな印象がなくてよかった

久しぶりに書籍の感想を書くなぁ……と思いつつ、ここのところアウトプットが上手くできなかったため、感想をまとめられるか心配である。
もし、意味不明な感想文になっていたら申し訳ないのだが、今回は「異端の祝祭」について書こうと思う。

実のところ、だいぶ前に読み終わっているのだが、当時(読み終わってすぐ)は感想を上手くまとめる自信がなかったため、あえて今の今まで書かずにいたのだ。

あらすじ

あらすじは下記の通りである。

冴えない就職浪人性・島本笑美しまもとえみ。失敗の原因は分かっている。彼女は生きている人間とそうでないものの区別がつかないのだ。
ある日、笑美は何故か大手企業・モリヤ食品の青年社長に気に入られ内定を得る。だが研修で見たのは「ケエエコオオ」と奇声を上げ這い回る人々だった──。
引用:本書の背表紙

この作品は幽霊系ホラー作品ではなく、生きている人間が作り出す恐怖を小説にしているのだが、ちょうど夏至に行う奇祭をテーマとした映画「ミッドサマー」がアマプラ解禁になったタイミングでこの作品を知り、和製ミッドサマーの異名で話題になってたのだ。
映画を見終わった後に本作を読み始めたのだが、映画の方が思っていた以上にグロテスクで目を閉じたくなるシーンがあったため、この作品にも「そんなシーン」があるのかと、びくびくしながら読み進めていたが、意外に大丈夫だった。

感想

思っていたより目を覆いたくなるシーンはなく、意外に平気だったのだが、代わりに大手企業であるモリヤ食品が裏でカルト宗教のようなことをしていたことにより、生きている人間から生み出される恐怖がとても気味悪い印象を受けた。

カルト宗教に限らず、洗脳(またはマインドコントロール)の恐ろしさを知っている人からしたら「そりゃそうだろ」と思うかもしれないのだが。

簡単に落ちるであろう弱者をすぐに見極め、その弱者相手にさりげなく近づき、言葉巧みに相手をコントロールする強者の賢さと同時に、そのことに気づけずに強者の餌食となる弱者の構図に、怖さを感じたのだ。
結局のところ、後味があまりよくない状態で話が終わるため、読み終えた後に消化不良を起こしたかのような「もやもやした気持ち」が残しってしまうのだが、文章が読みやすいゆえにすぐ読み終えることができるのが利点だと、勝手に思っている。

普段から読書をする人はもちろん、普段はあまり読書をしない人でも、本作のことが気になっている人は試しに読んでみてもいいのかもしれないと思っている。